- エグゼクティブコーチング
- 1on1ミーティング定着支援プログラム
ソニー株式会社
(マーシャル・ゴールドスミス特別セミナー)
重要なのはフィードフォワードであり、フィードバックではない

ソニーでは、マーシャル・ゴールドスミス博士を招聘して、社員向け特別講演を実施しました
クライアント企業情報
ソニー株式会社
世界を代表する電機メーカーの一つ。CMOSイメージセンサやゲームでは世界トップシェア。映画・音楽分野にも重点を置いている。連結売上高8兆5440億円、従業員数11万7300名。
(※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています)
ご担当者様
人事センター 人材開発部 井上 多恵子 氏 EC人事部 小林 誠司 氏 EC人事部 山下 弘晃氏
お客様の課題・ご要望
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・世界一流のエグゼクティブコーチセミナーから「良質の気づき」を得たい
ビジネスコーチの提案・サポート
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・マーシャル・ゴールドスミス特別セミナー
ソニーでのビジネスコーチング活用
Q. ソニーではビジネスコーチのサービスをどう活用していますか。
ソニーグループでは2016年より、ビジネスコーチの各種コーチング、研修を導入しています。概要は次のとおりです。
実施年 | 実施したこと | 受講者 |
2016年 | 「社内コーチ育成プログラム」 | ソニーグループ人事部 |
2016年 | 「エグゼクティブコーチング」 | 製造系グループ会社幹部 |
2016年 | 「若手技術者向けイノベーション研修」 | 製造系グループ会社技術部門 |
2016年 | 「エグゼクティブコーチング 」 | 製造系グループ会社幹部 |
2017年 | 「管理職研修」 | マーケティング系グループ会社 |
2017年 | 「エグゼクティブコーチング 」 | IT系グループ会社幹部 |
2017年 | 「部長研修 」 | IT系グループ会社幹部 |
2017年 | 「エグゼクティブコーチング 」 | ソニー海外 |
2018年 | 「社内コーチ育成プログラム」 | IT系グループ会社幹部 |
2018年 | 「1on1研修」 | グループ会社 |
2018年 | 「マーシャル・ゴールドスミスによる特別セミナー」 | ソニー本社 |
本日は、去る7月に実施した「マーシャル・ゴールドスミス特別セミナー」のことを中心にお話いたします。
セミナーの目的、概要
Q. マーシャル・ゴールドスミスのセミナーを実施した経緯を教えてください。 ビジネスコーチのエグゼクティブ開発やコーチングスタイルの源流は、「コーチングの神様」と呼ばれるマーシャル・ゴールドスミスにあります。そして2018年にビジネスコーチから、「マーシャルが来日する。希望があればソニー向けに特別セミナーを提供することも可能」と案内がありました。
これまで重ねてきた研修、エグゼクティブコーチングに加え、源流でもある世界一流のエグゼクティブコーチのセミナーに触れれば、参加者にもこれまでと違う「良質の気づき」がもたらされると期待できます。ビジネスコーチに手配を依頼し、マーシャル・ゴールドスミスを招聘して特別セミナーを開くことを決めました。セミナーの概要は次のとおりです。
日時 | 内容 | 受講者 |
7/4 | 「ピータードラッカーの教え」 | 社内キャリア研修講師の部課長 20名 |
7/5 | 「Leadership and Coaching」 |
ソニーユニバーシティ現役および卒業生、合計100名 |
マーシャル・ゴールドスミスとは?
マーシャル・ゴールドスミス博士(Dr.Marshall Goldsmith) インディアナ大学MBA、UCLA博士号。エグゼクティブコーチングの第一人者。 フォード、グラクソスミスクライン、ファイザー、世界銀行など世界的大企業のCEOやCEO候補100名以上をコーチしたことで知られる。
1949年ケンタッキー州生まれ。76年から大学で教鞭をとるかたわら、専門とする「ボードメンバー向けリーダーシップアセスメント」の手法を駆使してリーダーシップ能力開発プログラムに従事。
米国における「エグゼクティブコーチングのグル(先導者)」と呼ばれる。
「経営思想界のアカデミー賞」とも言われる権威と影響力を持つといわれるThinkers 50で、2015年にリーダーシップ開発部門賞受賞(総合では5位)に選出される。主な著書に『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』『コーチングの神様が教える「前向き思考」の見つけ方』『トリガー 自分を変えるコーチングの極意』(いずれも日本経済新聞出版社)。
マーシャル・ゴールドスミスが語る、リーダーの 【20の悪い癖】
- 「極度の負けず嫌い」
- 「何かひとこと価値をつけ加えようとする」
- 「善し悪しの判断をくだす」
- 「人を傷つける破壊的なコメントをする」
- 「『いや』『しかし』『でも』で文章を始める」
- 「自分がいかに賢いかを話す」
- 「腹を立てている時に話す」
- 「否定、もしくは『うまくいくわけないよ。その理由はね』と言う」
- 「情報を教えない」
- 「きちんと他人を認めない」
- 「他人の手柄を横どりする」
- 「言い訳をする」
- 「過去にしがみつく」
- 「えこひいきする」
- 「すまなかったという気持ちを表さない」
- 「人の話を聞かない」
- 「感謝の気持ちを表さない」
- 「八つ当たりする」
- 「 責任回避する」
- 「『わたしはこうなんだ』と言いすぎる」
セミナーへの評価
Q. 人事の方から見てのセミナーの感想を教えてください。 まずマーシャルさんが、大変、フレンドリーであることに驚きました。コーチングの神様というから、もう少し先生然とした「えらい人」を予想していましたが、マーシャルさんは終始にこやかでした。
プロフェッショナリズムにも感銘を受けました。「この2日間はすべてソニーのために使う」と宣言し、その姿勢は控え室でも一貫していました。にこやかではあっても「緩む」ことがない。どの場所でも「ソニーへの集中」が途切れませんでした。
セミナー中は、とにかく良く動いていました。セミナー時間の半分以上は客席で語っていました。「重要なのはフィードフォワードであり、フィードバックではない」という話のとき、「みなさんフィードバックをもらって嬉しいですか? Fun,Fun,Funという気持ちになりますか?」と言いながら、Fun,Fun,Funに合わせて、ピョコ、ピョコ、ピョコと横にジャンプしていったのが印象的でした。70歳とは思えない軽快さでした。
初日は、セミナーの前に聴衆20人に対し、ひとりひとり名前を呼びながら握手していました。受講者を「かたまり」でなく、個々人として見ていることがよく分かりました。
受講者アンケートの内容
Q. 受講者の反応はいかがでしたか。
アンケート結果は非常に良好でした。以下、自由記入欄に書かれた感想を紹介します。
- 「正解が無いことに対してのマインドセット」
- 「正解」はない。自分の判断を信じる。
- 「自分の正しさを証明しようと頑張ることのむなしさ」
- 「自分が持っていない物を追いかけない」
- 「自分の部下が自分よりも専門家であるときのマネージメントの考え方」
- 「自分に対して繰り返し質問することの重要性」
- 「自分自身に問いかける習慣を試そうと思いました」
- 「押しつけないで、引き出すような指導をしようと思いました」
- 「”Great, but”を決して言わないようにする」
これらコメントを見ても、マーシャルさんの講演が、受講者に「良質な気づき」を誘発したことがうかがえます。
ビジネスコーチへの評価
Q. ビジネスコーチへの評価、今後の期待をお聞かせください。
今回ビジネスコーチには、企画、スケジュール調整など各種コーディネートを依頼しました。企画ものの講演は、社内の各部門を横断的に巻き込んでいくため、部門間の調整作業が多く発生します。「最初にすべてを決めること」が難しく、もろもろを「柔軟に変えながら」進める必要があります。こうした進行に対し、ビジネスコーチからは柔軟かつ適切な対応がありました。
ソニーでは、管理職の人間力を強化するために、引き続きコーチングを積極的に活用していきたいと考えています。ビジネスコーチには、それら取り組みを、高いコーチング技術、提案力、コーディネート力を通じて支援していただくことを希望します。引き続きよろしくお願いします。
※ この他、ソニーユニバーシティ学長 根本 章二 氏 および、 人材開発部部長 池山 一誠 氏からもコメントをいただきました。
ソニーユニバーシティ学長 根本 章二 氏のコメント |
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人材開発部 部長 池山 一誠 氏のコメント |
「フィードフォワード」、「20の悪癖」。多くのスキルを短時間で学べた。ただ、最も良かったのは、講義の終了後に、自分の中に「明来に向かってチャレンジする、上向きのエネルギー」が漲(みなぎ)ってきたこと。 通常の研修はHowToを学ぶことが多い。終了後は、なぜか気分が疲れる。しかし、本来は、受講者が自身の成長にエンゲージ&コミットし、エネルギーを集中させているのが健全な姿であるはず。リーダーのエネルギーは、そのまま組織の活力につながる。今回、マーシャルが、明日のソニーを担うリーダーとなる受講者を、正しい方向に導き、元気を与えてくれたことに感謝したい。 HowToなら誰でも教えられる。しかしマーシャルには、多くのCEOをコーチングする中で蓄積された人間力、熱意、スキル、コミュニケーション力があり、だからこそ「人としての生き方、幸福の追求、人生を豊かにする方法」が自然と伝わる。家族、そして周囲で自分を支えてくれる人に感謝しなければならない。それなしに仕事の成果は出せない。そのことに気づいた。 |