人材開発・組織開発用語:「コーチング」
人材開発・組織開発において押さえておきたいキーワード
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人材開発・組織開発用語
人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。
執筆者

ビジネスコーチ株式会社
マーケティング本部 広報担当
コーチング
相手が行きたいところ、行くべきところに向かうプロセスをコーチ(コーチングを実施する側)が支援すること。馬車が語源となっている。
コーチは通常、「観察」「承認」「傾聴」「質問」のスキルを活用してコーチングを行うが、ビジネスコーチ社では必要に応じて「アドバイス」も交えながら行っている。
クライアント(コーチングを受ける側)はコーチとの対話をきっかけに内省し、コーチからの質問に対して自問自答し、内省と自問自答によって得た気付きを言語化し、それを行動にしていくことで、得たい成果に近づくことが可能になる。
この内省と自問自答によって気づきを得ることを、専門用語でオートクラインと呼び、コーチはこのオートクラインを意図的に起こしていくことで、クライアント自身の自発的な行動の促進を支援していく。
コーチングには、いくつかの種類がある。
【コーチングの種類の一例】
ライフコーチング :個人の人生や健康にフォーカスした支援
スポーツコーチング:スポーツで成果を上げるための指導
ビジネスコーチング:ビジネスの目標達成のために、人と組織の行動変容を支援
ビジネスコーチ社が軸に置く「ビジネスコーチング」は、
・自律型人材の育成や社員のキャリア開発に効果を発揮する
・組織に属する社員の自発的な行動を促し、組織全体の推進力向上に効果をもたらす
・「自分の意思や、やり方で仕事ができている」という社員本人の意識も高まり、モチベーションやエンゲージメントの向上につながる
などの効果が期待でき、リーダーが身につけるべきスキルとして、また1on1の導入のきっかけとして、ビジネスコーチングを導入する企業が増えている。
ビジネスコーチ社が考える、ビジネスコーチングを成果につなげる前提となるスタンスは以下の通りだ。
1. 思考の枠を外す:
多くの人は、様々な不安や不満を抱えながらも、「自ら変わる」ことには進んで取り組もうとはせず、「今のままの私」であることを望む。 この”よりよく変わろうとする”際の大きな障害となる思考の枠を外すことが、真の行動変容を実現する上でのスタート地点である
2. 周囲との「関係の質」を高める:
ダニエル・キム教授により提唱された組織の成功循環モデル(※)で最も初めに出てくるのが「関係の質」だが、コーチとクライアント間の「強い」信頼関係構築(=関係の質の向上)がクライアントと周囲の人との関係性にも影響を与え、結果的により良いビジネス成果を生み出すことになる
(※)組織の成功循環モデルの用語説明ページ参照
3. 少し立ち止まる:
環境変化の激しい現代においては、「忙しい」という言葉がついて回ることが多々ある。しかし、忙しいからこそ「立ち止まる」必要があり、「立ち止まる」時間を確保することによって、「より良い自分の動き方」を冷静に判断することができる
4. サイエンスとアートのバランスを取る:
クライアントがその時その時で発した曖昧で抽象的な言葉や概念を、質問によって具体化していく「サイエンス的思考」に基づいたアプローチと、クライアントの様子を見て感じた直感的な感覚や、クライアントの感情に基づいた「アート思考」のアプローチを、クライアントの状況に合わせて意識的に使い分けることで、真の意味でのクライアントの可能性を引き出すことができる
5. マネジメントとリーダーシップを使い分ける:
人が育ち、組織を中長期的に成長させていくためには、人の管理と併せて、ビジョンや戦略・方向性を指し示し、組織を一定の方向に導く、マネジメントとリーダーシップの両方が必要だ。企業や新規事業立ち上げ時には、リーダーシップの発揮に重きを置くことが、成熟期を迎えたビジネスにおいてはマネジメントの発揮に重きを置くことがポイントとなる。ビジネスコーチングにおいては、このマネジメントとリーダーシップのバランスについて、クライアントの状況に合わせてコーチが自覚的であることが大切になってくる