人材開発・組織開発用語:「心理的安全性」
人材開発・組織開発において押さえておきたいキーワード
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人材開発・組織開発用語
人材開発・組織開発に関連する専門用語について、ビジネスコーチ社が解説します。
執筆者

ビジネスコーチ株式会社
マーケティング本部 広報担当
心理的安全性
他者からの反応におびえたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出せる状態のこと。心理的安全性の高い組織では、自分の過ちを認めたり、質問したり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地を持っているため、メンバー一人一人のパフォーマンスが向上し、結果的に組織の成長に大きな影響を及ぼす。
この心理的安全性は、「効果的なチームを可能とする条件は何か」を目的に Google で行われた調査プロジェクトの結果から導き出された、「継続的に高いパフォーマンスを出し続けるチームの共通要素」の1つであり、全5つの要素のうち群を抜いて大切な要素である心理的安全性は、まさに”土台”とも言えるものだと考えられている。
【継続的に高いパフォーマンスを出し続けるチームの共通要素】
①サイコロジカル・セーフティー(心理的安全性)
②相互信頼
③構造と明確さ
④仕事の意味
⑤インパクト
心理的安全性が担保された環境でない場合、ビジネスコーチ社では大きく4つの「不安」を抱えた状態になる可能性が高いと考えている。
不安①:無知(こんなことも分からないのか)と思われる不安
→分からないことを「分からない」と言えなくなる
不明点があっても確認できなくなる
不安②:無能(こんなことすらできないのか)と思われる不安
→失敗やミスを隠してしまうようになる、報告しなくなる
過ちを認めようとしなくなる
不安③:邪魔をしている(いつも邪魔をしてくる)と思われる不安
→自発的な発言を控えるようになる
アイデアがあっても言わず、黙ってしまうようになる
不安④:ネガティブ(消極的でいつも否定ばかりする)と思われる不安
→反対意見を言えなくなる
本当に重要なことに気が付いていても言えなくなる
これらの不安が蓄積することで、忖度したり、遠慮したり、引っ込み思案になったりと、自分の強みや魅力が分からず最大限のパフォーマンスを発揮できなくなるため、効果的かつ生産的な仕事ができなくなってしまう。
また「心理的安全性」について、実際に企業の皆さまと関わる中で誤解をしたまま理解してしまう人も多いため、注意が必要。
【よくある誤解】
・仲良し、気軽さ
・相手に合わせる、気を遣う
・厳しく接することを避ける(優しく接するようにする)
・リスクは極力避ける
【正しい理解】
・自分らしく、相手らしくいることを尊重する
・回答の正しさ関係なく、反対意見も含めて素直に発言ができる
・厳しい指摘もできる
・互いに指摘や懸念をぶつけ合うことができる
・リスクを恐れず、挑戦することを尊重し応援できる